その時間まで


今日、呼び出したのは、はっきりと自分の気持ちを言うため。
だいたい環境も違えば、考え方だって違う。
ひとつの問題に対して、意見が食い違うのは当たり前の話。
それでもあえて自分の考えを伝えようと思ったのは、
私を信頼してくれていると感じたから。


人なんて本来あてにならないもの。
相談事や悩み事もしょせん他人事。
それでも、そういうことをひっくるめて
どうよ?って相談する事は、それなりに勇気がいる。
全てを話さなければ的確な意見はもらえない。
でも、そのためには知らなくていい事まで話さなければならない。


そんなことを、一言『ウザイ』で片付けてしまえばそれまでなのに
その経緯をきちんと伝えてくれた。
こんな話をすれば、どう思うだろう?迷惑だろうな?
そんな風に思ってしまったらそれで途切れてしまう。


私がここで、彼女と待ち合わせしたのは
小さな店の片隅で、うだうだと話をしていても
きっと気持ちがすっきりしないと思ったから。
悩みなんて考え方1つでどうにも変わってゆくと
そう思ったら、夕暮れて行くこのデッキのテーブルが
丁度自分の気持ちを伝えるのにぴったりだと思ったから。


悩まない人生なんてないでしょ。
傷ついたり苦しかったりするけどさ
私たちは明日も生きて行かなくちゃならない。
結構忙しいのよね。
だったらその悩みは。どこかで区切りをつけて
この際だから捨ててしまおう。
色々考えたし、痛い思いもしたし。
もう十分でしょ。
明日まで持ち越さないことをココで決めよう!

約束の時間になるまで、そんなことを考えている。
もうすぐ夕焼けの時刻。





そう彼女に話しながら、私も1つココで悩みを捨ててゆこう。